おねむなおはなし

日々の気付きとトキメキ

島倉千代子さんのおはなし

 

 

島倉千代子さんの歌が好きです。わたしの内側には彼女の歌詞の世界観が溶け込んでいると感じる瞬間があります。例えば彼女の「愛のさざなみ」という歌詞に出てくる情景はそのままわたしにとっての愛の形だったりします。だからわたしは、叶うなら湖に浮かべた小舟の上で愛を誓いたいと幼い頃に夢見ていたこともありますし、ふと自分の内側を覗くとき、そこには湖があるのを感じたりします。

 

今日はどうしてそんな話をするのかというと、来月8日はそんな大好きな島倉千代子さんの命日だからです。だったら8日に書けや!という声が聞こえなくもないのですが、その日までにもしこのブログを読んで彼女の歌に何か感じるものがある人がいて、その人も11月8日に彼女の命日を想えたなら、幸せなことだなと思うので、書いてみようかなと思った次第です。まあ、その前にこのブログの人の気配のなさと云ったら天下一品なのでそんな気遣いは無用なのかもしれませんが、まあまあ。気にしない。メンタル鬼だから全然気にしない。

 

 

 

「人生いろいろ」が第二のデビュー曲だと言われたりもしていますが、彼女の本当のデビュー曲は「この世の花」という曲です。元々は連載小説だったものがラジオドラマになり、映画になった超話題作の主題歌がこの曲で、その後この作品は何作も続編が作られ、その全ての主題歌に「この世の花」が使われました。本来は彼女と同じレーベルに所属する当時人気だった歌手が歌うはずだったものが巡りめぐって新人である島倉千代子さんのデビュー曲となったのです。

 

彼女の人生は波乱万丈です。幼い頃に疎開先で生死をさ迷うような怪我をし、およそ20億円以上の借金を背負わされ、完済し、離婚し、中絶も何度も経験しています。また、乳ガンや幼い頃に怪我をした際に感染した肝炎によって肝臓にも肝硬変やガンを患いました。それでも彼女は歌います。歌詞を一字一句漏らさずノートに書き写し、その歌詞の世界を歌おうと努力し続けます。数多のヒット曲を出し続けます。デビュー曲の例にもあるように彼女は強運なのだと思います。彼女はたくさんの不幸を経験した人生だったかもしれないけれど、それ以上にたくさんの人に支持され、自分の運と才能と努力で人生を切り開いた人でもあるのだと思います。歌を愛し、全てを受け入れ、どんな状況でも信じた道をいく彼女の在り方にいつもわたしは勇気を貰うのです。

 

こんなことに絶対に負けてたまるもんかと思うとき、「無法松の一生」が流れます。

愛を想うとき「愛のさざなみ」が流れます。

料理をしたり家事をしたりする日常の中で一番よく口ずさむのは「人生いろいろ」です。

わたしの中のチャーミングな女性のイメージは「ほんきかしら」の世界観にあります。

「りんどう峠」や「東京だよおっ母さん」を聴くと田舎の風景や母がいつか語ってくれた幼い頃の話を思い出します。

 

きっと愛する人を思う優しい人を形にしたら島倉千代子さんという人になるんじゃないかなと思うから、それは多分わたしが憧れる女性そのものであるから、わたしは島倉千代子さんが好きなのかなと思います。

 

デビュー曲「この世の花」の歌詞の中には、「乙女」という言葉が出てきますが、彼女はいつまでもその言葉が似合う人でした。あの恥ずかしそうなしぐさ、頷きながら歌う優しい目、どこまでも美しい声、わたしの憧れの人。

みなさんも宜しければ彼女の歌を聴いてみてください。後から後から心に気持ちが染み入ってくるような歌声は唯一無二ですよ。

 

 

 

では、今日はここまで。

ありがとうございました。

 

 

 

追伸:わたしは単純な食いしん坊なので、ほんの数回食事を抜かざるを得ない状況の後、久しぶりに食べるお味噌汁の野菜やきのこの旨味や食感、炊きたての白米の一粒一粒の甘みに感動してご機嫌になってしまう。わたしにとってなかなか手に入らない贅沢な存在は昔から変わらず「健康」なのだ。ぐっどばい。